7.7 遥かなるビックエア! ⑥

『ヒマリが飛んだ!あんなに激しく落ちて、もう飛べないと思ったのに』

 オコジョの子が言った。

 

『鷲や鷹もあんな風には飛べまい。山の神様が見込んだだけのことはある』

 長老猿は鼻高々だった。

 

『ヒマリのジャンプを見たら、人間を怖がって逃げ回っているのが恥ずかしくなって来た。ヒマリみたいに勇気を出したい』

 オコジョの子がしっかりと言った。

 

 ユウヤは着地エリアの端の方でハルトとミコトと一緒にヒマリのジャンプを見ていた。

 

「ヒマリくんって本当に凄いね!」

 ミコトが二人に言った。

 

「俺がスキーのチューニングとカービングを教えたしな。ユウヤ、ヒマリはよく頑張ったな。見たことのない景色を見せて貰った」

 ハルトはユウヤに声を掛けた。

 

「ああ。本当に頑張った。ヒマリ、最高の景色、見せて貰ったぜ」

 ユウヤはそう呟いた。

 

 

 続いて男子オープン、公式戦の2本目が行われ、表彰式となった。

 

 入賞以上と特別賞の表彰の後、ジュニアで優勝したヒマリとツキハがインタビューを受けることになった。ヒマリとツキハが並んで立っている。

 

 

  つづく

 

【目次】【前話】【次話】