着地エリアの端からヒマリのジャンプを見ていたユウヤとハルトは、急いでヒマリに駆け寄って行った。
「ヒマリ、しっかりしろ!」
ユウヤが叫んだ。
「ん?ユウヤ?」
ヒマリが頭を起こして反応した。
「気を失っていたのか。どこか痛くないか?派手に転んだから担架が来るまで動かない方がいい。ちゃんと診て貰おう。一緒に棄権するか?」
ユウヤは心配そうに声を掛けた。
「棄権!?」
ヒマリは大きな声を出した。
「ああ、今のお前、ちゃんと飛べる状態じゃないだろ?」
ユウヤは諭すように言った。
「それは嫌だよ。ユウヤやハルトくん、ミコトくんと、4人で最後まで飛びたい!!」
ヒマリは立ち上がり、しっかりと答えた。
「大丈夫なのか?」
「うん。大丈夫」
待機しているスキーパトロールが担架を用意して近付こうとしていたが、ユウヤが係員に両手で丸を作って大丈夫と合図を送った。
上から心配そうに見ていたツキハとヒマリの家族も、ユウヤの合図を見て胸を撫で下ろした。
ユウヤとヒマリは着地エリアの外に向かってゆっくりと歩き出した。
つづく