ミコトが飛び終わった。ミコトは後ろ向きで滑ってから飛ぶスイッチ540にグラブを加え、予選より点を上げて77点を出した。
アナウンスが流れ、ハルトの順番になった。
「次はハルト選手です。トップのヒマリ選手を追い掛けていますが、ここで更に技の難易度を上げて来るか?さあ、スタートです」
ハルトは予選よりも助走のスピードを上げ、キレのあるカービングから飛んだ。
「ハルト選手、踏み切って飛んだー、そしてコーク軸をしながら横にも1回、2回、3回転だー。縦1回転の横3回転のコーク1080、予選のコーク9から難易度を上げて来ました。これは得点が楽しみですねー。・・・出ました。なんと92点、予選のヒマリ選手の91点を抜きました~。これはハイレベルなジュニアの戦いです!」
ヒマリが係員から呼ばれた。
ヒマリの心臓は動揺しているためか、鼓動が早くなったり遅くなったりと不規則になっている。もう、ハルトより高い点を出すためにどう飛ぶかなどヒマリには考えられなくなっていた。
つづく