大雪の日、マリはヒマリの家でユウヤに抱かれて気持ち良さそうにしていた。
「マリって本当に可愛いよなー。ウチに連れて帰りたいぐらいだ」
マリを抱いたままユウヤがヒマリに言った。
「えー、ユウヤの家だって猫がいるじゃない」
ヒマリはにこにこしながら応えた。
「ああ、クロベエか。あいつはふてぶてしくて可愛くないんだよ。マリ、ウチに来るか?」
ユウヤの問いにマリは鳴いて応えた。
「そうか、そうか。ウチに来たいか」
ユウヤは嬉しそうにマリを見て、そんなユウヤをマリも見ていた。
「そんなことないよ。マリ、こっちにおいで。ウチの方がいいよね」
ヒマリがそう言うとマリはぷいっと横を向いた。
「ほら見ろ」
ユウヤは得意気だった。
「悔し~いぃ!」
ヒマリはそう言いながら笑っていた。
「マリは人を見る目があるんだ。な!」
ユウヤがそう言うとマリはすました顔をした。
「じゃあ、雪が止みそうもないし、そろそろ帰るかな。またなマリ」
ユウヤはそう言ってマリをヒマリに渡そうとした。
マリはユウヤから離れるのを嫌がってユウヤにしがみついた。
つづく