
『まあ、いいだろう。それならば手を繋いでみるといい。この森の中であれば、猫憑きのお前を通して、その子もワシらと話すことができる』
長老猿はそう言った。
ヒマリはツキハと手を繋いだ。
『この子、信用できるの?』
オコジョの子が言った。
「えっ、あっ、あれ?オコジョの声なの?」
ツキハは不思議な声に驚いていた。
『声に出さなくて良い。思えば通じる』
長老猿がツキハに言った。
「あっ、はい。じゃなくて」
と慣れないツキハが声に出し、
『分かりました。これでいいですか?』
と続けて思いを届けた。
『うむ。それで良い。さて、何の用じゃ?』
長老猿が二人に訊ねた。
ヒマリとツキハは、人間はもう森にオコジョが棲んでいないと思っているから森を無くしてもいいと考えている。だから姿を見せてくれれば考えが変わるかも知れない。少しでいいから姿を見せて欲しいと頼んだ。
つづく