7.1 はじまりのエターナルスノー! ⑤
「さあ、これから選手たちがスタートエリアに向かいます。盛大な拍手で送ってくださいねー」
というMCのケータさんの声に促され、観客は選手たちに拍手を送った。
キレイに整備されたキッカーが立ち並ぶゲレンデの隣にあるオコジョの森のゲレンデには、人間に見つからないように息を潜め、ひっそりと大会を覗いている幾つかの目があった。その一つはオコジョの子のものだった。
『ヒマリ、がんばれ。負けるな!』
オコジョの子の声は山からの風に乗った。
ゲレンデ上部のスタートエリアに選手たちが集まった。助走速度は雪質に大きく左右されるが雪のコンディションは上々だった。いよいよ予選がスタートする。
つづく