7.1 はじまりのエターナルスノー! ③

「昨日は腹が立ったけど、もうスッキリした。今日はオレたちと勝負だ!」

 ユウヤはハルトの顔をしっかりと見た。

 

「俺は、スコアも勝ち負けもどうでもいい」

 ハルトはユウヤにそう応え、

「大事なのは風を感じること。風も生きている。一度空へ飛び出せば、そいつはたちまち牙を剥き襲い掛かってくる。だけど、恐れることはない。…」

 ハルトが真顔でブツブツと喋り出した。

 

「はいはい。あっちに行こうね。ハルちゃん」

 ミコトがハルトの肩に手を当て、その場から離そうとする。

 

「だからちゃん付けはやめろって」

 ハルトは怒りながら場所を移した。

 

 

 公式練習が終わって開会式となり、本部テント前に選手が整列した。体操教室の仲間やコーチ、ヒマリとユウヤの家族などは列に加わっていなかった。既に場所を決めて観戦エリアに陣取っている。

 

 開会式では主催者による挨拶後に大会ルールが説明された。

 予選はジュニア女子・男子、オープン女子・男子の順で一本ずつ2回飛んだ後に、女子公式戦・男子公式戦が各2本となるようで、ジュニア女子とオープン女子は参加者が少ないため予選が決勝を兼ねていた。

 

 

  つづく

 

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