「昨日は腹が立ったけど、もうスッキリした。今日はオレたちと勝負だ!」
ユウヤはハルトの顔をしっかりと見た。
「俺は、スコアも勝ち負けもどうでもいい」
ハルトはユウヤにそう応え、
「大事なのは風を感じること。風も生きている。一度空へ飛び出せば、そいつはたちまち牙を剥き襲い掛かってくる。だけど、恐れることはない。…」
ハルトが真顔でブツブツと喋り出した。
「はいはい。あっちに行こうね。ハルちゃん」
ミコトがハルトの肩に手を当て、その場から離そうとする。
「だからちゃん付けはやめろって」
ハルトは怒りながら場所を移した。
公式練習が終わって開会式となり、本部テント前に選手が整列した。体操教室の仲間やコーチ、ヒマリとユウヤの家族などは列に加わっていなかった。既に場所を決めて観戦エリアに陣取っている。
開会式では主催者による挨拶後に大会ルールが説明された。
予選はジュニア女子・男子、オープン女子・男子の順で一本ずつ2回飛んだ後に、女子公式戦・男子公式戦が各2本となるようで、ジュニア女子とオープン女子は参加者が少ないため予選が決勝を兼ねていた。
つづく