『なあ、お前、大丈夫なのか?勝てるのか?』
オコジョの子が心配そうに話して来た。
『勢いで言ってしまったけど、分からない。この姿の時って調子に乗っちゃうんだ。どうしよう?』
ヒマリは不安そうに答えた。
『おいおい。今頃になって勘弁してくれよ。さっきまで長老やクマさんと渡り合っていたじゃないか。お前だけが頼りなんだ』
『今頃になって怖くなって来た。踏み潰されるかと思った』
『変なヤツだな。でも、お前って、人間の時はオスだったけど、猫になるとメスなんだな?』
『えっ?これは・・・嫌だな。もう・・・』
『ちょっと可愛いなって思っただけだよ。じゃあ、頼んだぞ!』
『うん。分かった』
オコジョの子が森に引き上げ、ヒマリもホテルの方に戻って行った。
ヒマリはホテルの入口のドアに身体を押し付け、少しだけ隙間を開けてホテルの中に入った。それから自分の部屋の前まで来たが、ヒマリはドアを開けられず、床に落ちているジャージの中に潜った。
つづく