4.3 隠されていたこと、これからの友だち ④

「あれだけ運動神経が抜群なら勉強なんてどーでもいいよ。十分カッコイイもの。学校や体操教室でもモテるでしょ」

 ツキハが意地悪そうに言った。

 

「ボクがカッコイイ?モテる?ユウヤと違ってモテないよ」  

 ヒマリは不思議そうな顔をした。

 

「そんなことはないと思うけどなぁ」

 

「それに、モテたいとも思わないよ」

 

「モテたくないの?そうなんだ。もしかして誰か好きな人いるの?」

 ツキハは一度ヒマリの顔をじっと見て、直ぐに視線を外した。

 

「えっ、うん。まぁ・・・」

 ヒマリも視線を外して口籠った。

 

 その頃、ユウヤがロビーに向かって歩いて来ていた。

 

「そっか。ヒマリくんって好きな子がいるんだー。残念だなぁー」

 

 ツキハの声を聞いてユウヤは足を止め、その場に立ち止まった。

 

「残念?」

 

「私、ヒマリくんのこと好きだよ」

 ツキハはそっと目を逸らしたまま言った。 

 

「ボクのことが?」

 ヒマリはツキハの顔を見た。

 

 

  つづく

 

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