「おいおい、ダブルバックフリップかよ。スゴイな。一体誰なんだ?」
コーチの男性が驚きながら呟き、参加者リストを探した。
「すごぉー!これはハルカさんのコーク7といい勝負!」
ミスズも驚いていた。
「ハルのライバルだね」
長身のミコトが振り向き、笑顔で言った。
「関係ない。俺は俺でフリーに飛ぶだけだ」
笑顔を向けられたハルトは全く表情を変えずに応えた。
「この子の名前・・・、どこかで見たことがあるな?」
そのコーチはリストを見ながら何かを思い出し掛けていた。
キッカーの下では、飛び終わったヒマリをユウヤとツキハが迎えていた。
「お前、やっぱり最高だよ!」
ユウヤがヒマリの頭をヘルメットの上からポカポカと叩く。
「スゴイスゴイ!最初だから1回転で止めると思ったけど、いきなり2回転なんて本当にスゴイよ!」
ツキハもはしゃいでいた。
「ありがとう。2回転は体操教室のトランポリンで練習しているから」
ヒマリも嬉しそうな声だった。
「これにスキーを掴んだグラブが加われば、ハルトに勝てるよ!」
ツキハがゲレンデの上の方を見て力強く言った。
ツキハが見る先にはハルトがいた。
つづく