あっ、オレの方が一個上なんだけど」
「それは知ってる。聞いてるし。でも、本当の幼馴染なんだね」
「ああ。小ちゃな頃からお互いの家を行ったり来たりして遊んでた。今のヒマリって人見知りで口数も少ないけど、以前はいつもニコニコしていて、お喋りで、知らない人でも自分からどんどん話し掛けて、誰とでも直ぐに仲良くなっちゃうヤツだった」
正面を向いていたユウヤがツキハの方を見て嬉しそうに話し出した。
「えっ、ヒマリくんって前は今と性格が違うんだ」
ツキハもユウヤの方を見て笑った。
「うん。全然違う。今は牛乳を一日に何本も飲むけど、前は大嫌いだった。身体が弱かったから激しい運動はできなかったけど、プールで遊ぶのは大好きだった。それが今はプール以前にお風呂も嫌がるし。さっきも、せっかくの温泉なのに、膝までしか浸からないんだよ。信じられないでしょ」
「えー、そうなの?そう言えば、去年のウォータージャンプでも溺れているような泳ぎ方をしてたね」
いつしか二人とも笑っていた。
それからユウヤは、以前のヒマリのことや自分たちの家のこと、家族のことをツキハに楽しく話した。
つづく