
「いや、大会のことじゃない」
「じゃあ、何?」
「去年の夏、父さんはウォータージャンプで転んでしまっただろう?それは何故だと思う?」
「えっ、そんなの分からないよ」
「入院していたお母さんが危篤になった日、父さんは交通事故を起こした」
ツキハの父は噛み合わないまま話を続けた。
「それが何の関係があるの?あの事故は、私がお父さんに早く病院に行きたいって無理を言って、急がせたから」
ツキハは目を合わせない父の顔を見ながら少し強い口調で応えた。
「いや、事故はツキハのせいじゃない。ツキハが悪いんじゃない。私の運転ミスだ」
ツキハの父はようやくツキハと目を合わせ、宥めるように言った。
「どうして今、そんな話をするの?」
ツキハは父を睨みながら更に強い口調で訊ねた。
「その事故が関係あるんだ」
ツキハの父はその目で何かを伝えようとしているようだった。
「えっ、もしかして・・・」
ツキハは言葉に詰まった。
つづく