三人は、この施設の中で3番目の大きさの中ぐらいのジャンプ台で練習をしていた。ヒマリとユウヤはツキハに飛び方を習っていた。
ツキハが飛ぶ時は施設にいる多くの人が注目した。単に可愛い少女というだけでなく、軸の整ったキレイな回転が多くの人を惹き付けた。ツキハが360を飛んで溜息が漏れ、続くユウヤが無理に360を回して崩れながら着水すると空気が緩む。そして、いつしかヒマリの番で再び注目が集まるようになっていた。
スタートしたヒマリがジャンプ台の先端で一気に身体を伸ばす。ヒマリは大きなジャンプ台にも負けないぐらい高く飛び、まるでスローモーションのように540まで回して着水する。
先に飛び終えたツキハとユウヤは、プールサイドに並んでヒマリのジャンプを見ていた。
二人の視線の先には、飛んでいる時のカッコ良さとは正反対の溺れるように泳ぐヒマリがいた。
「もう!・・・ヒマリくん、飛び過ぎ!本当に溺れるよ」
ツキハは呆れていた。
「全く、プールじゃなきゃできない飛び方だよな」
ユウヤも呆れていた。
「でも、初めてスキーを履いたなんて、今でも信じられない」
ツキハは驚きの目でプールを見ていた。
つづく