その駐車場の出入り口の近くまで来ると、右側の先が坂になっていた。そして坂の下から途切れ途切れに水の音が聞こえて来る。
バシャン!!・・・バシャン!!・・・
その音にユウヤが反応し、音のする方に走って行った。
「スゲー!」
ユウヤが声を上げた。
「ヒマリ、来いよ!スゲーぞ」
ユウヤがヒマリを呼んだ。
ヒマリはユウヤの元へ向かった。そこから下を見ると、坂の下にプールがあった。坂の上からスキーやスノーボードを付けた人が、プールに向かって滑り降りてジャンプをしていた。
滑走する列は横に幾つも並んでいて、交互に滑り出してはバシャン、バシャンと飛び込んでいる。
母親らしき女性二人も歩み寄って来た。
「あれ?ここも遊園地のプールなの?」
クロッシェハットを被った女性が尋ねた。
「そう言えば、スキーのジャンプができる施設があるって、旦那が言ってた」
運転をしていたキャペリンハットの女性が答えた。
「ねぇ、母さん、近くで見たい!」
ユウヤがキャペリンハットの女性の両腕を掴んで言った。
「全く、ユウヤは父親と一緒ね。どうする?」
呆れた感じで母親はクロッシェハットを被った女性の顔を見た。
「駐車場は一緒だし、遊園地の一部なんじゃない?下に降りてみましょうよ」
その女性が応えた。
つづく