勝手な行動なので認めて貰えるか不安はあった。が、ユウヤとツキハが熱心に説得した。
コーチの何人かはフリーで滑っていたヒマリとユウヤを見ていたようで、幾つかの条件付きで許可が貰えた。
コーチには、体操教室でのヒマリの高いパフォーマンスが、スキーでどう発揮されるのか見てみたい、という願望もあるようだった。ヒマリの運動神経の高さは体操教室でも特別だった。
二人は自宅に電話をし、大会運営のアドレス宛に保護者の同意書付きの参加申込書をメールで送って貰った。そしてヒマリは、ヘルメットをレンタルし、ツキハから後ろ向きでも滑れるツインチップのスキーを借りることになった。
そして三人は一度解散した。
ホテルのレストランで、体操教室の全員が同じ体操教室のジャージ姿で夕食を取り、その後、ヒマリとユウヤは各々の部屋でジャージからスキーウェアに着替え直した。部屋割りが学年別だったので、ヒマリとユウヤは別々の部屋だった。
二人は廊下で待ち合わせ、スキーの乾燥室に向かった。
「なぁ、ヒマリ、これって運命だよな」
ユウヤが唐突に言った。
つづく