それからヒマリとユウヤは、ツキハに日曜日に開催されるジャンプの大会への参加を誘われた。
大会はスキービックエア競技で、明日の土曜日が公式練習、日曜日の午前が予選、午後が決勝で、男女公式戦、男女オープン、ジュニアの部門があるということだった。ジュニアは参加費が無料で、人数が少なく、男女別で表彰されるので、参加すれば表彰される可能性が高いらしい。だから、ぜひ参加して欲しいとツキハからヒマリとユウヤは頼まれた。
ツキハもジュニア部門にエントリーしていて、ツキハのお父さんが大会運営に関わっており、少しでも盛り上げたいからということだった。
「お願い。二人とも参加して」
ツキハが両手を合わせて縋るように頼んだ。
「そんないきなり大会なんて・・・。ボクは今日が初めてのスキーだよ」
とヒマリが返したが、
ツキハは態度を変え、ヒマリの顔を指さした。
「初スキーの初ジャンプで540を飛んで、それで初めてとか、殴られるわよ!」
と怖い顔をしてツキハが脅した。
つづく