1.4 初スキーでの初ジャンプ! ④

 ツキハとユウヤが慌ててヒマリに近付く。

 

「ヒマリくん、大丈夫?」

 ツキハが声を掛けた。

 

「大丈夫。コケた」

 雪まみれになったヒマリはゆっくりと起き上がりながら答えた。

 

「いきなり回すなよ。プールじゃないんだから、大怪我するぞ!」

 ユウヤは怒っていた。

 

「ウォータージャンプで回せていたから気持ちも分かるけど、そのスキーじゃ後ろ向きの着地はムリ!」

 

 そう言ったのはツキハだった。

 

 ツキハのスキーはツインチップと呼ばれるモノで、前後の先端が両方反っている。一方、ヒマリとユウヤのスキーは先端だけが反っていた。このため、ヒマリのスキーは反対向きに着地をすれば、雪に突き刺さってしまうデザインだった。

 

「ちょっと調子に乗っちゃった。でも楽しかった」

 ヒマリは体中の雪を払いながら二人に言った。

 

「でも、やっぱりヒマリくんってスゴイよ!540が初スキーの初ジャンプなんて信じられない」

 ツキハが興奮気味に言った。

 

「で、二人に相談があるんだけれど」

 とゴーグル越しにキラリと目を光らせてツキハが続けた。

 

 

  つづく

 

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