「ヒマリ、いいぞ!」
ユウヤがストックを大きく振った。
『どうしよう。ユウヤみたいに真っ直ぐ飛ぶ?それとも、、、』
ヒマリはどう飛ぶか迷った。
スキーを逆三角に開いて止まっていたヒマリが、スキーを揃えて滑り出す。
「無理しなくていいからね!」
ツキハが助走に入ったヒマリに声を掛ける。
ヒマリは小さくなってスキーのスピードを上げ、捻りを溜めて大きく飛び上がった。
回転をしながらツキハより高く飛んだ。スローモーションのようにヒマリの身体は1回転半した。
「えっ・・・」
ツキハが驚きの声を上げた。
「ああーっ・・・」
ユウヤが嘆きのような声を出した。
後ろ向きでヒマリが着地する。グサッ!!パン!!!
ヒマリのスキーのテールが斜面に刺さって弾けるようにブーツが外れた。ヒマリの身体は斜面を転がった。
つづく