「ツキハ、すごい!」
手を振りながらヒマリが声を掛ける。
「スゲー!グラブして360・・・」
ユウヤが大声を上げ、その後で両ストックを上げて拍手のように叩いた。
WOW!指数が上昇し、ヒマリやスタート位置で並んでいた他のスキーヤーもストックを叩いてエールを送った。
ツキハは着地をして直ぐに止まり、スケーティングをしながら斜面を登った。そしてキッカーの横まで来て、ストックを大きく振った。
「ユウヤ、じゃあ、滑って来て!」
ツキハがユウヤに合図を送った。
「ヨシッ」
ユウヤが滑り出した。
ユウヤは真っ直ぐ腰の高い態勢で助走をし、そのまま踏み切ってストレートに飛んで着地した。
その様子をツキハは横でしっかりと見ていた。
「ちょっと踏切が早かったけど、1本目からイイ感じ!」
ツキハが着地したユウヤに声を掛けた。
「タイミングを合わせるのって、やっぱり難しいね」
ユウヤがスケーティングで登りながら応えた。
「それはそうよ。踏切で全て決まるから」
ツキハが答えた。
つづく