少女の笑顔をヒマリとユウヤは驚いたように見た。
ヒマリは一瞬固まって、先にユウヤがスキーを蹴ってツキハに近付いた。
「ツキハ??去年のウォータージャンプの時の・・・」
ユウヤもゴーグルを外した。
「あっ、ユウヤくんも居たんだ。久しぶり」
ツキハがユウヤの顔を見て応えた。
「よく分かったね?」
とユウヤが尋ねた。
「レッスンの集団に見覚えのある姿を見つけて、もしかしたらと思って」
向かって来るヒマリを見ながらツキハが答えた。
「えっ、あっ、こんにちは」
ヒマリがツキハの前まで来て挨拶をした。
「まぁ、確かにヒマリを知っていたら遠くからでも分るよな」
ユウヤはツキハの答えに納得した。
ヒマリの髪は、真っ直ぐな絹糸というより、天然パーマでクルクルモシャモシャの毛糸のようだった。
スキーキャップを被り、ゴーグルをしていても、少し長めの白い髪がぴょんぴょんはみ出している。
小さなヒマリの姿は、目印の付いた小動物のようにゲレンデの遠くからでもよく分かった。
ユウヤとツキハはヒマリを見て笑った。
つづく