「まぁ、滑って来て、ジャンプして、クルクルって回転するまではプールと同じで、違うのはプールにドボンか、雪にトンと降りるかの違いだな」
と大雑把にユウヤが答えた。
「へー、そうなんだ。プールじゃないと失敗したら大変だね。ユウヤは飛べるの?」
「オレは、まぁ、小さいキッカーなら飛べるかな」
「ユウヤはすごいなぁ~」
そう話しながら、二人はリフトを降り、そこから更に奥にあるリフト乗り場の方に滑って行った。
ヒマリとユウヤの方にブカブカの大きなパーカーを着て、派手なヘルメットとゴーグル、フェイスマスク姿の小さなスキーヤーが、二人の左側から近付いて来た。
「ねえ、ヒマリくんでしょ」
離れた所からの声にユウヤが反応し、振り返りながらヒマリの肩を叩いた。
「えっ!」
ユウヤの様子を見て、ヒマリが振り返った。
すると、
そのスキーヤーはゴーグルとフェイスマスクを外した。
「私、ツキハ」
更にヘルメットを脱いだ。
「去年の夏にウォータージャンプで一緒だったツキハ!」
髪の長い笑顔の少女が現れた。
つづく