午後のスキーレッスンが15時で終わり、ヒマリとユウヤは合流して二人でリフトに乗っていた。左側がヒマリで右側がユウヤだった。
リフトが中間辺りにある支柱を過ぎ、ガタっと左右に揺れた。
「午後のレッスンを最後だけ見ていたけど、やっぱりヒマリって上手くなるの早いな」
ユウヤは前を向いたまま呟いた。
「そうかなぁ?」
ヒマリが照れながら応えた。
「あぁ、他の奴らと比較にならないよ。相変わらず凄い運動神経だよ」
今度はヒマリの方を向いてユウヤが言った。
リフトの進行方向から見てゲレンデの左奥の方には、大中小のキッカーと呼ばれるジャンプ台が横に並んでいる。大会が開催されるようで、スポンサーの旗が何本も立てられ、周囲にはネットが張られて立入禁止になっていた。
「ねぇ、あのジャンプ台って、去年の夏に遊んだ遊園地の隣にあったのと形が違うけど、どうやって飛ぶんだろう?」
ヒマリがキッカーの方を向いてユウヤに尋ねた。
「あぁ、ウォータージャンプはプールに向かって飛び出すだけだから、踏み切った先に何もないからな。あれはビックエアって言う競技のキッカーっていうジャンプ台だな」
「飛び方はプールの時と同じなの?」
ヒマリが訊ねた。
つづく