エピローグ:Jump to the Future⑤

 ヒマリが病室のベットに横たわっている。ベッドの横にはツキハとユウヤの姿があって、少し離れてヒマリの家族も見守っている。

 

 

「早く元気になれよ。また三人でスキーをしようぜ」

 ユウヤがヒマリに声を掛けた。

 

「ありがとう。でも、難しいかな」

 

「そんなこと言わないで」

 

「ツキハ、せっかくお母さんの心臓を貰ったのに、ごめんね」

 

「だからそんなこと言わないで」

 

「そうだぞ、ヒマリ」

 

「でも、ボクはもう寿命なんだよ。二人には短く思えるかも知れないけど、ボクにとっては長い一生だった。楽しい思い出ばかりで幸せだったよ」

 

「何を言っているんだよ。しっかりしろよ!」

 

「ごめん。ユウヤ、ツキハ、二人とも大好きだよ」

 

 ヒマリはゆっくりと目を閉じた。

 

 病室の隅から三毛猫の霊が様子を見ていた。

 

『いい友だちを持ったね。人間のヒマリに猫のマリの命を継ぎ足しても、そんなに長くは生きられない。でも、精一杯、立派に生きたね。そろそろ一緒に行こうか?』

 

 三毛猫の霊の横にヒマリと子猫のマリの霊が現れ、ユウヤとツキハを優しい目で眺めていた。そしてゆっくりと消えて行った。

 

 

  つづく

 

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