私が公園を歩いていると後ろから声を掛けられました。
「コノハさん、おはようございます」
「昨夜はかなりお酒を飲んでいたのに、今朝は随分と早いですね」
「お酒?そうだったのですか。コノハさん、実は今の私は道澄です」
「えっ?」
「あの時とは反対に今度は私が夢を見て、彼の身体を借りてあなたを訪ねて来ました。彼が泥酔すると入れ替わるのですかね。こうして違う姿であなたと対面するのは不思議ですが、とてもお元気そうで良かったです」
「道澄さん…、本当なんですか?もう会えないと思っていました」
私の頬は涙で濡れていました。
私は嬉しくて嬉しくて彼の胸に飛びつこうとしました。
「おーい、コノハ、二人で何をやっているの?」
後ろからセオリさんの声がしました。
「輝虎殿?輝虎殿もこちらに来ていたのですか?」
道澄さんが驚いた声を上げました。
私は機を逸して振り返りながらセオリさんを睨みました。
それから私たちはホテルに戻って朝食を取り、チェックアウト後に諏訪大社巡りをしましたが、もうセオリさんに道澄さんの隣は譲りません。
これが夢なのか現実なのか分かりませんが、目一杯楽しもうと思います。
おわり