「そうだね。鬼は武田信玄に敗れて鵜の島に幽閉された諏訪大社に関わりのある知久頼元親子だったし、操っていた弁天様の豊玉姫も水の神で龍蛇だから河口湖の夢と共通している。豊玉姫は夢の中で消える前に『またどこかでお会いしましょう』って言っていたから、もしかしたら今回の夢とも関りがあるのかも知れないね」
「不思議ですね。諏訪に行ったら、何か分かるんですかね?一度、みんなで諏訪大社に行ってみたいですね」
「えっ、今度は諏訪に行くの?」
セオリさんが話に加わって来ました。
「それなら次は私もみんなと同じ夢を見たいな」
セキナ姉さんも加わりました。
「でも、どうせ夢を見るなら、私も明晰夢を見たいな。ただの夢だと実感がないし直ぐに忘れちゃうから」
セオリさんが言いました。
「でも、私みたいに戻って来れなくなるかも知れませんよ」
「それは大丈夫じゃない。いざとなれば頼りになるガイドがいるし」
セキナ姉さんが彼の方を見ながら言いました。
「ははは。ガイドって言われても…」
彼は苦笑いをしていました。
つづく