夕暮れ時に見慣れた屋敷に着くと、家の中にはアイの隣に元気なアキの姿がありました。
「コノハ、お帰り」
「アキ、ただいま」
その晩、私たちは道澄さんも含めて夕食を頂きました。
「蛇神の退治はどなたがしたんですか?」
アイが訊ねて来ました。
「実は道澄様が水神切りの刀を借りようとされたら、持ち主の上杉輝虎様が加勢をしてくれたんです」
二郎さんが興奮気味に答えました。
「えっ、上杉輝虎様?じゃあ、輝虎様が蛇神を退治されたんですね」
「いえ、それが違うんです。道澄様が蛇神と話をされると、蛇神がアキ様の呪いを解いてくれたんです」
二郎さんがアイに答えの続きを言いました。
「道澄様、この度は私のためにありがとうございました」
アイと二郎の会話にアキが続きました。
「いえ、当然です。元は私が頼んだ三増の餓鬼悪霊を祓うため、アキさんに協力して頂いたことが原因ですから。本当に目覚めることができて良かったです」
道澄さんは笑顔で応えました。
「アキ、眠っている間はどんな夢を見た?」
私はアキに訊ねました。
「それがコノハになった夢だった。細かいことは忘れてしまったけれど、雪山をスキーという道具で滑ったのは楽しかった」
「アキはこっちとあっち、どっちがイイ?」
つづく